プロテインC/S欠乏症について

この病気を初めて聞いたとき、「へ?ボディビルダーとか筋トレする人が飲むプロテインのこと!?」というくらい、まったく知識がありませんでした。

プロテインC欠乏症、プロテインS欠乏症(欠損症とも言います)は、簡単に言うと「血液の病気」です。
血液凝固反応を抑える働き(抗凝固作用:血を固まりにくくする作用)を担ってる「プロテインC/S」という血中のタンパク質が減少する(プロテインC/S欠乏症)ことで、血が固まりやすくなってしまいます。

■数値が低くなるのはどうして?

プロテインC活性の数値が低い場合
外科手術後、慢性肝炎、肝硬変、ビタミンK製剤投与患者、DIC、先天性欠損症(タイプⅠ・Ⅱ)

プロテインS活性の数値が低い場合
慢性肝炎、肝硬変、抗ビタミンK製剤投与、先天性欠損症(タイプⅡ)

※ちなみに、私はプロテインC、Sどちらの数値も激低です(笑)

■そもそもプロテインC/Sってなぁに?

【プロテインC】
血液の抗凝固、血栓溶解促進作用を示すタンパク質の1つ。
プロテインCは、肝臓でビタミンKに依存して合成されるカルシウム結合タンパク質で、血液凝固系のプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)であるトロンビンによって部分的に分解され活性化される。
※先天性プロテインC欠乏症…常染色体性優性遺伝(優性形質)であって、反復性の静脈血栓症、胚閉塞症が起こりやすい

【プロテインS】
血液凝固系制御タンパク質の1つ。
血液凝固を抑制するビタミンK依存性「蛋白質」で、肝臓で合成されます。
カルシウム結合タンパク質であって、血液凝固系制御タンパク質である活性化プロテインCの働きを促進する補因子。
※先天性プロテインS欠乏症…反復性の静脈血栓症、胚閉塞症が起こりやすい

プロテインS (PS)、プロテインC(PC)およびアンチトロンビン(AT)欠損症は、日本人の3大先天性血栓性素因である。

■日本人と欧米人との比較
先天性PC欠乏症の発症頻度:0.13%(欧米人と差はなし)

先天性PS欠乏症の発症頻度:1.12%
(欧米人での発症頻度 0.16~0.21%と比較して、5~10倍も高いことが判明しています)

※プロテインCのままでは、その機能を発揮することができません。血液凝固反応で中心的な役割を果たすトロンビンという成分により「活性化プロテインC」に変換されて初めて、抗凝固作用を示すことができます。