ワーファリンの副作用

■重大な副作用

◯1)出血
脳出血等の臓器内出血、粘膜出血、皮下出血等を生じることがある。このような場合には、本剤の減量又は休薬、あるいはビタミンK製剤投与、新鮮凍結血漿の輸注等の適切な処置を行うこと。また、同時に血液凝固能検査(トロンボテスト等)を行うことが望ましい。

◯2)皮膚壊死
本剤投与開始による早期にプロテインC活性の急速な低下が原因で、一過性の過凝固状態となることがある。その結果、微小血栓を生じ皮膚壊死に至る可能性がある。投与前にプロテインC 活性を確認することが望ましい。

◯3)肝機能障害
黄疸 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤を減量又は休薬するなど、適切な処置を行うこと。

■その他の副作用

過敏症注) 発疹、瘙痒症、紅斑、蕁麻疹、皮膚炎、発熱肝 臓 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等消化器 悪心・嘔吐、下痢皮 膚 脱毛その他 抗甲状腺作用
注)このような場合には投与を中止すること。

◯5)高齢者への投与
本剤は、血漿アルブミンとの結合率が高く(「薬物動態」の項参照)、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある。用量に留意し慎重に投与すること。

◯6)妊婦、産婦、授乳婦等への投与
⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
〔本剤は胎盤を通過し、点状軟骨異栄養症等の軟骨形成不全、神経系の異常、胎児の出血傾向に伴う死亡の報告がある。また、分娩時に母体の異常出血があらわれることがある。〕
⑵本剤投与中の授乳婦には授乳を避けさせること。
〔ヒト母乳中に移行し、新生児に予期しない出血があらわれることがある。〕

◯7)小児等への投与
新生児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

◯8)過量投与
本剤過量投与による出血には、ビタミンK製剤の静脈内投与が奏効し、一般的には数時間以内で回復する。 (①)

◯9)適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)